こんにちは、トウゴです。
今回は私が経験した「Windows版Adobe Illustratorが頻繁にクラッシュする」状況の原因と解決した方法をまとめました。
この状況に関して、同じようになった方をあまり見つけることが出来ず、解決するまでにとても時間がかかったので、同じ状況で解決方法がわからず困っている方の参考になればと思いまとめました。
もし同じ状況の方がいらっしゃいましたら、一度紹介する方法を試してみてください。
ちなみにWindows版の対処方法なので、Mac版は対応範囲外になります。
クラッシュする状況の詳細
2023年1月頃からイラレで作業をしていると、急にフリーズした後数秒置いてからイラレが落ちるという状況が頻繁に出るようになりました。
特定のツールを使った時などではなく、選択ツールを使っている時だろうがペンツールを使っている時だろうが関係なく落ちました。
また、かなり短い間隔で落ちるため、1つの作品を完成させるまでに10回以上落ちることもありました。
Adobe公式にあるIllustratorフォーラムの以下の質問と同じ状況でした。
こんにちは。 数日前にもいちゃんさんと同じような症状が突然発生し、Adobeサポートセンターにて対応して頂きました。現状…
解決方法
ワコムのタブレットを利用されている方で、2023年1月頃に出たドライバアップデートをされている方に限った対処法です。
(ドライバのバージョンがV6.4.1-2Jwi、V6.4.1-3Jwiの方)
現在のドライバのバージョンからダウングレードしてください。
(2022年11月リリースのV6.4.0-11Jwi以前のものにする)
以前のバージョンのドライバをダウンロードするには以下のページから利用している製品とOSを選択し、該当のドライバをダウンロードしてください。
ドライバのアンインストール・再インストール方法は以下のページをご覧ください。
【リンク】Windows環境でタブレットドライバをアンインストール、再インストールする方法
私は2022年11月に更新されたV6.4.0-11Jwiをインストールしました。
それで頻繁にクラッシュする状況は解決出来ました。
(ダウングレードして以降、頻繁にクラッシュする現象は起きていません)
ダウングレードをすればクラッシュしなくなるという方法は、上の「クラッシュする状況の詳細」にあるIllustratorフォーラムの質問の回答にある方法です。
こんにちは。 数日前にもいちゃんさんと同じような症状が突然発生し、Adobeサポートセンターにて対応して頂きました。現状…
この回答を参考にしてタブレットドライバのバージョンを問題が起こっていなかった2022年11月更新のV6.4.0-11Jwiにダウングレードしました。
上のページにあるように、まず「イベントビューアー」でIllustratorのエラーが「Wintab32」が原因で起きているかを確認してから、ダウングレードの対応を取ると確実だと思います。
【2023年9月14日追記】
2023年9月14日、Illustratorを起動した際に「wacomタブレットドライバを最新にしてください(要約)」というダイアログが出たため、最新のバージョンにドライバをアップデートしました。
最新のバージョンは6.4.3-1です。
同じようなエラーが出ないか心配だったのですが、最新のバージョンにアップデートしても特に問題が起こることもなく使えています。
なので上記の方法でダウングレードした後、私と同じようにエラーが心配で最新バージョンにアップデートしていない方は、最新バージョンにアップデートしても問題ないと思います。
ただ私はドライバをアップデートした時に同時にIllustratorも最新のバージョンにアップデートしました。
(バージョンはv27.9です)
Illustratorも最新のv27.9にしていない場合は、一緒にアップデートしておいた方が良いかと思います。
ドライバもIllustratorもどちらも最新バージョンになった状態で使用し、エラーが起こらなかったので、その組み合わせだと同じようなエラーは起こらないと思います。
【2023年10月13日追記】
2023年10月10日にIllustrator2024がリリースされました。
バージョンで言うと28.0ですね。
2023年10月13日にそのIllustrator2024をインストールして、実際に使ってみたところ、こちらも特に問題なく使用することが出来ました。
IllustratorはIllustrator2024(v28.0)で、ペンタブレットのバージョンは9月14日追記分と変わらず6.4.3-1です。
Illustrator2024の新機能である「テキストからベクター生成(Beta)を使用してベクターを作成する」や「Retype(Beta)を使用して画像内の静的テキストを編集」などを使ってみても、頻繁にクラッシュしたり固まってしまったりということはありませんでした。
他にもIllustrator2024を使って仕事のデータを1つ作ってみましたが、制作している2時間ほどの間でクラッシュすることはありませんでした。
半日ほど使ってみた結果、エラーは起こらなかったので新規リリースのIllustrator2024をインストールして使用しても大丈夫だと思います。
【2023年11月23日追記】
ペンタブレットのドライバのアップデートが来ていたので、先日アップデートをしました。
新しいバージョンは6.4.4-3ですね。
Illustrator2024になってから初めてペンタブレットのドライバをアップデートした形です。
IllustratorのバージョンはIllustrator2024(28.0)で、ペンタブレットのドライバのバージョンは6.4.4-3となりましたが、現時点(※2023年11月時点)ではIllustratorが頻繁に落ちる・フリーズするといったことはありませんでした。
ドライバのアップデートをしてからこの追記をするまでに少し日にちがあき、その間ほぼ毎日イラレを使っていましたが、長時間使っていてもクラッシュすることはなかったですし、イラレを開いたまま少し時間を置いてもクラッシュすることはありませんでした。
なのでドライバを6.4.4-3にアップデートしても問題ないようです。
参考になれば幸いです。
クラッシュするようになった原因
ワコムタブレットドライバを最新版にしたことが原因でした。
2023年1月にタブレットドライバの更新のお知らせがWacom Centerに表示されたので、特に気にすることなくいつものように最新版に更新したのですが、それからイラレが頻繁にクラッシュするようになりました。
同じ時期に新しいソフトを入れたり、Windows10からWindows11にしたこともあり、そちらも原因なのかなと思っていたのですが、2023年1月のツイートを見たところ、Windows11にするより前にイラレが頻繁にクラッシュするようになったと投稿していたので、OSを変更したり新しいソフトを入れたのはあまり関係がないということがわかりました。
解決するまでにやったこと
根本的な解決にはならなかったけども、現象をなくすために試したことを念のためまとめておきます。
これらはAdobe公式が案内していたり、クラッシュなどのエラーがなくてもやっておくとイラレの動作が軽くなったりしてメリットが多いので、やっておいても損はないものになります。
Microsoft IMEの設定を変更する
以下のサイトで詳しく解説されていますが、Microsoft IMEの設定を従来のものにしてエラーを回避する方法です。
(ただサイトを見るとわかりますが、27.5アップデートで既に問題解消されているそうです)
Illustrator 2023(27.3.1)アップデート後からWindows端末にてフリーズが頻発するとの事象が報告…
アップデートで問題が解消されているそうなので、わざわざやる必要はないかもしれませんので、対応するかどうかは各々の判断でお願いします。
私の経験した状況には効果がなかったのですが、現在も変更したままで特別問題はないので従来の設定に変更したままでパソコンを使っています。
セキュリティソフトの除外設定をする
これはイラレが起動しないというトラブルに対しての対処方法になるので、今回の状況とは違うのですが、Windows11にしてからWindowsのセキュリティが強化されて、スムーズに接続出来ない・更新出来ない・ダウンロード出来ないという状況がよく起きるようになりました。
なので念のため設定したものになります。
近頃、多くのお客様よりセキュリティ競合による起動不可の事象が報告されております。 【具体的な事象例】 ・起動コマンド…
除外設定する方法に関しては、利用しているウイルス対策ソフトのメーカーサイトなどをご覧ください。
恐らく除外設定の方法が解説されていると思います。
環境設定の見直し
タブレットドライバを更新したことが原因だとわかる前は、パソコン自体のスペックの問題なのかと思っていました。
必要スペックはあるはずだけども、Windows10からWindows11にしたことや、多少年数が経っているパソコンなのもあり、動作が重くなってクラッシュしてしまうのかなと思っていました。
重くなってしまうのを回避するために、イラレの環境設定を見直し、不要なものは使わない設定に変更しました。
変更した点は、
- 「戻る」で戻れる数(ヒストリー数)を100から50に変更
- 復帰データの自動保存をしない設定にする
- 「複雑なドキュメントではデータの復元を無効にする」にチェックを入れる
- 「バックグラウンドで保存」「バックグラウンドで書き出し」「クラウドドキュメントを次の間隔で自動保存」のチェックを全て外す
の4点です。
自動保存は頻繁にクラッシュする状況だったので付けておきたいと最初は思っていたのですが、実際何度も復元のお世話になった際正直あてにならないというか、クラッシュしたタイミングのところで確実に復元されるわけではなかったので、付けていてもあまり意味がないと気付き自動保存関連は使わないことにしました。
あと「戻る」をした時に戻る数も、自分が使っている状況を考えるとそこまで多くなくてもいいなと思ったので、一番少ない数に変更しました。
現在は頻繁にクラッシュする状況が解決したので今まで通り使えるようになったのですが、自動保存をなくしたこととヒストリー数の変更のおかげか、クラッシュする状況になる前と比べて若干動きが軽くなったような気がします。
自動保存をあまり重要視していない、そんなに戻らなくてもいいという方は、上記のような設定にしても問題ないです。
この設定に関しては以下のサイトを参考にさせて頂きました。
自動保存の有無やヒストリー数の変更などは、一度変更しても後からまた元に戻すことが出来るので、自動保存などをしない設定にした後やっぱりあった方が良いと思ったら設定し直せば大丈夫です。
なのでイラレの動作が重いことが気になる場合は、試してみると良いと思います。
原因がわかったきっかけ
頻繁にクラッシュする状況になってから3~4か月、諦めて仕方なくその状況でイラレを使っていたわけではなく、かなり頻繁に調べて対処方法を探していました。
しかし同じ状況のヘルプが見つからなかったり、似たような状況に対する対処方法を試してみても効果がなく、どうしたものかと思っていたのですが、たまたま行きついたYahoo!知恵袋の質問がほぼ同じ状況のもので、その質問者が原因かなと思うものを見つけたソフト(アプリ)が「イベントビューアー」というものでした。
【その参考になった質問が以下の質問です】
ADOBEイラストレーター2023が頻繁に落ちるので、イベントビューワをみてみたところ、「障害が発生しているモジュールパ…
イベントビューアーはシステムに起きた出来事(イベント)のログを見ることが出来るソフトなのですが、質問者に倣って私もイベントビューアーを見てみたところ、質問者と同じように「Wintab32.dll」が上がっていたため、この「Wintab32.dll」関連なのではないかということをつきとめることが出来ました。
イベントビューアーは今まで利用したことがなかったのですが、今回のことで原因をつきとめるのには有効な手段なのではないかと思いました。
Windowsユーザーの方で、エラーが出たり何かおかしいなという状況になったら、参考にしてみると問題解決が早くなるかもしれません。
エラーが起きた時に参考になるサイト
Adobe Illustratorに関して、エラーが起きた際に参考にすると良いサイトをいくつか挙げておきます。
イラレで何かトラブルがあった際、以下のサイトを見てみると同じようなトラブルに関しての説明が載っている場合があるので、検索エンジンで検索するより前にアクセスしてみると良いと思います。
おかしいなと思ったら(Illustrator)-Adobe公式サポート
Adobe Illustratorフォーラム-Adobe公式サポートコミュニティ
Illustratorコミュニティに質問してみよう!質問への回答、ディスカッションを通して、エクスパートから色々なナレッ…
どちらもAdobe公式のサポートページです。
Illustratorフォーラムではアドビスタッフからの、こういう現象についての対処方法やこの現象に関してはアップデートで対応したなどのお知らせが投稿されている場合もあるので、まず確認してみた方が良いページになります。
ちなみにサポートコミュニティはAdobeの他のソフト(PhotoshopやIndesignなど)のフォーラムもあるので、他のソフトでエラーが出た場合もまずそのソフトのフォーラムを確認すると良いと思います。
終わりに
頻繁にクラッシュする状況は思っているよりもかなり苦痛になる状況で、更に解決方法がずっとわからなかったため、本当に苦痛で珍しくイラレを使うことがイヤになるくらいでした。
問題が解決した今は心穏やかに作業することが出来ているので、解決して本当に良かったです。
私も検索などがものすごく上手いわけではないですが、ここまで問題が解決しないのが長引いたのは初めてだったので、同じ状況になった方の参考になればと思い今回まとめてみました。
少しでも問題解決の参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。